「古民家フォト甲子園」は、地域に残された「古民家・町並み等」を通して日本の伝統ある住文化を考える事を目的に開催されております。

第7回古民家フォト甲子園

中高生部門 京都府

上七軒を歩いてみた#1

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中学校の時の通学路だった。

中学三年間を通い毎日のように通っていたこの道は、非常に思い出深い場所でもあり、今の僕があるのはこの道のおかげでもある。

彼女もここが通学路でよく一緒に帰っていた。
学校終わりは必ず。

『今日のテスト難しかったね』
『そうだね』

『今日元気ないね』
『少ししんどい』

他愛ない会話をする時間がいちばんの幸せだった。

ーーー中学三年生のある日、彼女のお母さんから電話がかかってきた。

『○○君!急いで来て!!』

その声は震えていた。嫌な予感しかしかしなかった。

病院について、彼女のいる部屋に急いで駆け込んだ。
そこには泣いているお母さんと、下を向く看護婦さんと

眠っている彼女がいた。

最初は何が起こっているのかがわからなかった。

『下校中に事故にあったんだそうで。』

後ろからそんな声が聞こえた。でもまだ理解ができなかった。いつもそこにいた彼女がいない日なんて、かんがえることができなかった。

本当にこれが現実なのか、彼女はどうして事故に遭い死ななければならないのか、彼女が何をしたのか、誰にも、どこにも向けることのできない怒りが混み上がり、思わず病室を飛び出そうとした時、

『ちょっとまって』

泣いていたお母さんがこえをあげた。泣きながら話を続けようとする。

『今日が何月何日かわかる?』

なにをいってるの?そんなことを思いながら携帯に電源をつけた。

《8/28 火曜日 : 一件の通知があります》

全てがわかった。

さっきの怒りが、悲しみに変わり、悲しみが頬にすーっと、流れた。

『あなたに内緒で、プレゼントを渡したかったんだってね。一番に祝いたいって言ってかけて行ったよ』

お母さんはそう言うと、僕に紙袋を渡した。

『誕生日おめでとう。』

泣き崩れることしかできなかった。あの子の声でその言葉を聞きたかった。わがままだって知ってるけど、最後くらい笑顔を見たかった。

ーーーそんなこともあったこの道。忙しくて最近行けていなくて久しぶりに行ったが、何も変わってなかった。写真を撮っている時、彼女との会話が思い浮かんだ。

この物語はフィクションです。

普通に古民家と調べて近いところを撮りました。通学路でもなんでもありません。非リア充です。以上です。
 

Photo by ピアノタイル

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